Archicadで矩計図の作り方をお探しですね。
広告
Archicadで矩計図・部分詳細図を作るコツ〜全部3Dにしなくていいんです〜
BIMソフトのArchicadを導入したけれど、実施設計の「矩計図(かなばかりず)」や「部分詳細図」の作成でつまずいてしまう…そんな方は意外と多いんです。
基本設計までは3Dモデルでサクサク進めても、いざ詳細な図面を作ろうとすると「どこまで3Dで作ればいいの?」「どこから2Dで描き足せばいいの?」と悩んでしまいますよね。
この記事では、Archicadの「詳細図ツール」を使った実践的な矩計図・部分詳細図の作り方から、実務で役立つ2D加筆のポイントまで、わかりやすく解説していきます。
まず知っておきたい!矩計図・部分詳細図を作るときの基本的な考え方
ArchicadなどのBIMソフトを使い始めた人がよく陥ってしまうのが、「図面に出てくるものは全部3Dで作らなきゃいけない」という思い込みです。
でも実は、矩計図や部分詳細図に出てくるボルト1本1本や、防水層の細かい納まりまで全部3Dで作っていたら、データがめちゃくちゃ重くなって、作業効率も悪くなってしまいます。
実務でうまくやっている人たちは、縮尺に応じて「3Dモデルと2D作図を使い分ける」という方法をとっているんです。
だいたいの目安としては、1/100くらいの基本的な図面(平面図や立面図など)は、壁や床、屋根、窓やドアといった主要な部分を3Dモデルで作って連動させます。
一方で、1/50や1/30といった詳細図面では、3Dモデルの断面を下書きとして使いつつ、足りない情報は2Dの線や塗りつぶしで描き足していく、というやり方が一般的です。
この考え方は、実務者向けのBIM解説書でもよく紹介されている方法なんです。
BIMの良いところは、3Dモデルからいろんな図面を一元管理できることですが、それは「2Dで描く作業がゼロになる」という意味じゃありません。
むしろ、正確な3Dモデルという下敷きがあるからこそ、2Dの加筆がスピーディーで正確にできるんです。
まずは「全部を立体で作らなくても大丈夫!」という気持ちで、詳細図の作成に取り組んでみましょう。
詳細図ツールで図面を切り出す手順
Archicadで矩計図や部分詳細図を作るときに、中心となるのが「詳細図ツール」です。
このツールを使うと、3Dモデルの特定の部分を抜き出して、2Dの独立した図面として切り出すことができます。
まず平面図や断面図の画面を開いて、詳細図として取り出したい範囲を詳細図ツールで囲みます。
すると、その範囲内の3Dモデルが、線や塗りつぶしといった2Dの要素に自動的に変換された図面が新しく作られます。
詳細図ツールで作った図面は、元の3Dモデルの形が変わったときに、更新ボタンを押せば最新の状態に追従させることができます。
ただし、3Dモデルから変換した直後の状態では、基礎の複雑な構造や、部材同士の接合部の細かい表現が足りないことがほとんどです。
ここがまさに詳細図作りのスタート地点で、切り出した2D図面に対して直接描き足していくことになります。
具体的な作業の流れとしては、まず不要な線や重なっている塗りつぶしを整理するところから始めます。
3Dモデルの断面をそのまま変換すると、見せたくない余計な線まで出てきてしまうことがあるので、これらを削除したり非表示にしたりして図面をきれいにします。
ベースとなる線画が整ったら、次のステップである本格的な2D加筆作業に進んでいく、というのがArchicadでスムーズに詳細図を作る基本的な流れです。
効率よく2Dで描き足すためのテクニック
詳細図のベースができたら、いよいよ矩計図や部分詳細図として完成させるための2D加筆を行っていきます。
ここで作業効率をグッと上げるのが、Archicadに備わっている2Dの描画ツールと、登録済みの部品データをフル活用することです。
毎回すべての線をゼロから引くのではなく、あらかじめ用意された要素をパズルのように配置していくことで、作図時間を大幅に短縮できます。
具体的には、次の3つの要素を組み合わせて図面を仕上げていくのが効果的です。
・グループ化された2D部品(アンカーボルトや金物など、よく使う標準的なパーツ)
・詳細コンポーネントやオブジェクト(メーカーから提供されている2Dの製品データなど)
・2Dの線分や塗りつぶしツール(防水層や断熱材などの素材表現や、特殊な納まりの加筆)
よく使う納まりや接合部のディテールは、過去のプロジェクトで作った2Dデータを部品として保存しておいて、使い回すのが実務での鉄則です。
たとえば、屋根の軒先まわりや基礎の立ち上がり部分などは、プロジェクトが変わっても共通するディテールが多いので、テンプレート化しておくと作図の手間がかなり減ります。
また、塗りつぶしツールを使うときは、建材に割り当てられた材質のハッチングパターンをうまく利用すると、コンクリートや木材、土などの材質感を統一的できれいに表現できます。
このように、3Dモデルの正確な断面に豊富な2Dツールを組み合わせることで、手描きの2D CADに負けないくらい、精密で表現力豊かな詳細図を作ることができるんです。
「全部3Dで作らない」実務に合ったBIM運用のコツ
ArchicadなどのBIMツールを導入した会社や設計者が一番つまずきやすいのが、「完璧なBIMモデルを作ろうとしすぎて挫折してしまう」ことです。
でも、プロの実務者が書いたBIM解説本でも強調されているように、BIMの運用では「臨機応変で柔軟な考え方」が一番大切なんです。
基本設計レベルの1/100の図面は3Dモデルの整合性を活かして作り、1/50以上の詳しい矩計図や部分詳細図は、割り切って2Dで描き足すというスタンスが、今のBIM実務では標準的なやり方になっています。
この「適材適所のモデリングと作図」を意識すると、パソコンへの負荷を抑えて、データファイルを軽くすることができます。
また、詳細図の作成を従来の2D CADの操作感に近い形でできるので、これまでAutoCADなどの2Dソフトをメインに使ってきたスタッフも、BIMプロジェクトに参加しやすくなるというチーム運営上のメリットも生まれます。
最終的な目的は、すごい建築モデルを作ることではなく、現場で実際に施工するための「正確でわかりやすい実施設計図面」を納期内に完成させることです。
Archicadの詳細図ツールと2D加筆の方法をマスターすれば、「BIMではちゃんとした図面が作れない」という誤解は完全になくなるはずです。
3Dと2Dのそれぞれの得意分野をしっかり理解して、メリハリのあるBIM運用を心がければ、日々の設計業務がもっと効率的で創造的なものになっていきますよ。
広告
